もの創りの妙INDEXに戻る  作成更新日 07/06/03

製品開発のポイント

PAKURI工学Quotation工学/Reference工学

開発のすべては情報収集から。独創は限りなくレアなもの、それで良し。

過日、ある大学で学生に製品開発には「したたかなエネルギー」が必要だとして、一般的なツールの紹介をPAKURI工学として紹介したものです。

 

製品を開発する時、どういう顧客にどういう感動を与えるか、といった開発コンセプトが最重要課題ですが、ここではその後の開発に必要なツールの概要を列記します。

興味のある方はリンク先や、検索にてよろしく。

 

1.ティアダウン/競合製品の分解分析・・・・まず敵を徹底的に調べる。

2.トゥリーズ/TRIZ 発明問題解決法・・・・超発明術でブレークスルー。

3.データ検索/PATORIS JOIS・・・・・・・特許や技術文献を効率良く収集。

4.GT/グループテクノロジー・・・・・・・・・・・製品を群、シリーズで考える。

5.ユニバーサルデザイン・・・・・・・・・・・・・・・ユーザー層を拡大するデザイン。

6.素材・生産技術革命・・・・・・・・・・・・・・・ 何でもありの時代。

 


1.ティアダウン    要するに他社製品を徹底して分解、その構造からコスト、アイデアの軌跡などを把握してその上を考える。

                専門書も出ている位、体系化されている概念ですが、結局はPAKURI(パクリ)です。

参照URL http://www.consulparty.com/index.htm

 

開発競争に勝つために最も有効な戦略は、競合製品を分解分析することで、「競合製品の良いところ」をできるだけ早く取り込むことです。そのための手法がティアダウンです。

※ティアダウンは「リバースエンジニアリング、ベンチマーキング」とも言います


ティアダウンには以下の5つの効果があります

@他社の優れた設計・ノウハウを利用することで、短期間で競争力(コスト・性能)がある製品を開発できる
A定量的なコスト目標を立てることができる
B目標(コスト・性能)を実例として見せることで、説得力がある目標になる
C他社の競争力が定量化できるために、有効な「競争戦略」が立てられる
D全社的な(設計・購買・生産・営業)コストダウン活動につながる

2.トゥリーズ(TRIZ)  かたく言うと発明問題解決の理論といっているが、人間が発想するアイデアには根拠がある。

                 HP上でTRIZの検索で、数多くの文献や書籍まででているが、ロシアで過去の特許などを

                 片っ端から要素整理した理論であり、理解すればするほど、独創的なアイデアはそんなにない、

                 ということかと。技術的な矛盾(例えば大きくしたいが重くなる、が大きくして逆に軽くしたい)を

                 解決する方法はすでに過去にある、というもの。「やったー!!」という発明も釈迦の手の中だ

                 ったということ。すばらしいPAKURIの真髄ここにあり、の引用工学とも言える理論です。   

参照URL  http://www.osaka-gu.ac.jp/php/nakagawa/TRIZ/

        http://www.iteq.co.jp/TRIZ.html

『超発明術TRIZシリーズ1, 入門編「原理と概念に見る全体像」 』
       G.アルトシューラー著,  遠藤敬一・高田孝夫訳, 日経BP社, 97.11.28。定価4800円。
       (改訂版)   1999年12月, 200頁, 定価 4571円,  ISBN 4-8222-0560-6

超発明術TRIZシリーズ2, 導入編「やさしい事例に見る活用法」』
       G. Altshuller 著, 三菱総研IMプロジェクト推進室訳, 日経BP社, 97.10.27。177 頁, 定価3333円。ISBN 4-8222-0538-X

日経BP社で、シリーズで出ています。概要を知るにはイラスト入りでベストかと。

3.データ収集  PATOLIS   パトリスといい、特許データベース。以前は特許庁の管理で専用回線に接続していたが、

                   今はインターネットで特許検索ができます。ただし、登録制でミニマムチャージありの有料。

                      プロはこちらを利用します。 URL  http://www.patolis.co.jp/

 

                    

                    こちらは無料の検索サイト いつも混んでいます。  URL http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl

    特許電子図書館(IPDL)は、特許庁が保有する特許情報のデータベースとその検索機能をインターネット等により利用して無料で皆様にお使いいただくものです、と。

昔は公設図書館や官庁で分厚いファィルをページメクリしたものです。

                    JOIS        ジョイスといい、科学技術文献データベースでPATOLISよりも早くから提供していた。以前は

                   300dpiの音響カプラで接続してデータ検索したものです。今はインターネットで検索できるの

                   ですが、やはり有料でミニマムチャージあり。製品そのものの調査は特許検索で、周辺の

                   技術情報はジョイスで。簡便な情報なら最近はYahoo!検索でも結構調べられますが。

                      URL  http://pr.jst.go.jp/db/jois/index.html

追伸

JOISはJDreamIIに生まれ変わりました。 URL http://pr.jst.go.jp/jdream2/
4.グループテクノロジー  何を創るか、どういう仕様で造るか構造が出来てきたら、製品群を広げる、バリエーションを

             GT    考えて徹底して共通部品を利用する。従来のGTはコストダウンの為に加工要素を共通化

                   するという概念だったが、多様化時代に対応する為の多品種少量を量産効果を出すGTとして

                   ぜひ利用されたい。もの造りの「したたか」さが必要です。

参照URL  http://www1.ocn.ne.jp/~sato814/gt01.html 次へ、も見てください。

5.ユニバーサルデザイン バリアフリーの概念から、最近は「共用品」とかユニバーサルとかという概念が主流です。

             UD   国際ユニバーサルデザイン協議会など色々とあるが、形ある「もの」を利用する「ひと」が

                   使いやすいものにするには「やさしさ」が重要で、そういう製品はまだまだ少ない。

                   押しボタンを大きくする程度のアイデアはまだまだプアーで、これからの材料技術開発ま

                   でもがプアーに見える。

                   本当のUD製品を作るには、タコが出来る鉄(いつもさわるところは固くなる)や、鳥の骨の

                   ようなポーラスで軽いが柔軟性がある強い樹脂成型など、「やさしさ」を持った材料が待

                   たれる。                

参照URL  http://www.pref.mie.jp/UD/HP/home/know/univer/index.htm

        http://kyoyohin.org/

      http://www.iaud.net/index.html

 

ユニバーサルデザインの7つの原則
1. 誰にでも使用でき入手可能(公平性)
2. 柔軟に使用できる(自由度)
3. 使い方が容易にわかる(単純性)
4. 使い手に必要な情報が容易にわかる(わかりやすさ)
5. 間違えても重大な結果にならない(安全性)
6. 少ない労力で効率的に、楽に使える(省体力)
7. アプローチし、使用するのに適切な広さがある(スペースの確保)    

 

6.素材・生産技術革命   常に製品開発には材料の進歩、そのコストや塑性加工などの技術の進展に配慮が必要で、

                   世になければ自ら材料開発、生産技術開発をしなければ「製品開発」は多くの場合、顧客に

                   感動を与えることは出来ない。異分野の材料、技術を学ぶエネルギーが必要となる。

我田引水URL  http://www6.vis.ne.jp/~ayano/seigi.html

         http://www6.vis.ne.jp/~ayano/seigi02.html

 

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