酉の市


 酉の市とは鷲(おおとり)神社(*1)の祭礼で、十一月の酉の日に行われます。
 ですから、年によっては酉の日が二回あったり三回あったりします。
 最初の酉の市を一の酉、次を二の酉、三の酉と呼びまして、この三の酉のある年はどういう訳か火事が多いと言われていたものですから、三の酉はとりわけ参詣者が多かったようです。

 もともとは収穫祭という意味合いの強い祭礼だったのが、いつの頃からか商売繁盛の神様として信仰されるようになったのは、おおとり=大きく取り込む、というこじつけで、そのため酉の市では福をかき込むという熊手が売られるようになったのです。
 熊手は、三尺(約1m)以上の大きな物から、子どもの手遊びのような小さな物、熊手型のかんざしなどもありました。また、栗餅が名物でした。
 これらの品は、近在のお百姓さんが内職で作って販売するもので、商売に不慣れなお百姓さんと、気の短い江戸っ子の間でいさかいが起こることもしばしばあったようです。

 鷲神社は、目黒や葛西などにもあるのですが、格別にぎわうのは浅草下谷田圃の酉の市。
 なぜって・・・ここは、そのまま吉原に繰り出せる立地だからです。・・って、こればっか(^^;
 この酉の市の日に限っては、吉原の大門の他、普段は閉じて通行できない門を開放して、遊里を自由に通行することを許しました。
 女性が吉原に足を踏み入れる、数少ないチャンスでもありました。

(*1)鷲神社   戻る
 大鳥神社とも書く。
 鷲神社の祭神、天穂日命の子孫は、土師(はじ)を姓としたといわれ、土師から鷲になり、さらに大鳥になったのだといわれている。


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